本の感想〜スタンドバイミー スティーブン=キング
そう思っていたことを、スティーブン=キングはこの本の冒頭に持ってきた。
ここ最近、私もずっとおもっていたことです。
心の中にあるうちは、その考えや想いはとてつもなくデカイ意味を持っているように思えるのに、
いざ言葉に出すと、その大切さや価値がが削ぎ落とされてしまう。そんな気がするのは、私だけ??
と思っていたけれど、どうやら勘違いでは無さそうです。
言葉にしたら、その価値がなくなってしまうと分かっているなら言葉にしないほうがいい。
だけど、価値が無いに等しい状態になると分かっていても、言葉にしなきゃいけない時は、必ずあるのだと思います。人と関わり合い生きていく間は常に。
言葉にしなきゃいけない、ではまた言葉が曖昧なので、「言葉にしなきゃ相手に伝わらないこと」があると言っておきます。
私はこの冒頭の部分に引き込まれ、しばらく共にしたいと思い、自分で便箋にその文書を書き、保存することにしました。(スタンドバイミーを読んでいた時はブックマーカーにしていました。)
このスタンドバイミー、最初はとても読みづらかった。カタカナの名前が多いし、年代が違うし、語り部のゴーディとの趣味が全く合わないので何を言っているか、最初から最後までよくわからなかった。
でも、彼と彼の仲間の気持ちの揺れ動きや、意見のぶつけ合い(むしろケンカのシーン)の所は、かろうじて分かりました。
そこが一番面白かったから、最後まで読み進める事が出来た。
まだ12歳という少年達なのに、考えていることによっては急に大人に見えたり。むしろ大人より冷静に物事を見ていたり。とても言葉が簡潔していました。
中でも、クリスとゴーディの信頼関係がかいま見える場面が何点かあるのですが、そこが一番好きでした。
自分が彼らと同年代の時は、どうだっただろう?彼らほど、お互いの事を良く知り、お互いの事を思い話し合ったことがあるだろうか。いや、そんなふうな雰囲気ではなかったような気がします。
少なくとも、私から周りの友達に対してはそう感じたことはなかったと思います。
スタンドバイミーの次は、
ゴールデンボーイだな。
- 作者: スティーヴン・キング,Stephen King,山田順子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1987/03/25
- メディア: 文庫
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